音楽シーンとストリートファッションの関係は切っても切れない関係があると言えます。
たとえば、60年代のビートルズがモッズからヒッピーに変わっていくのに呼応するようにストリートファッションの流行もそれに付き従うように変遷していきました。
そして現在、街では90年代スタイルが真っ盛りです。90年代と言うとヒップホップだと言えるでしょう。
90年代後半から2000年代前半にかけて、日本ではラップやヒップホップといった音楽ジャンルが世間を席巻しましたが、まさにそれが現在に復活しているといっていいでしょう。
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現在のメンズストリートファッションの主流は’90
現在の渋谷や表参道といったストリートでみられるファッションスタイルは、コーチジャケットやフライトジャケットにリーバイスを合わせるなど、どう見ても90年代のスタイルのファッションを楽しむ若者が多く見られます。
そして、現代の世界や日本を席巻するヒップホップアーティストやセレブたちが着こなす都会的で、ちょっと悪(ワル)なかんじのラジュジュアリーストリートファッションを楽しむ若者も増えています。
ヒップホップとファッションの関係
そもそも、ヒップホップとは1980年代にニューヨークのスラムなどで発生した音楽文化です。
ヒップホップはスラムに住む黒人たちの地域のパーティー(集会)で多用されたサンプリングや打ち込みを多用したバックトラックにラップを乗せて、リズム感を強調した音楽のことを言います。
この地域のパーティーが繰り返されるごとに音楽の洗練さは増していき、ニューヨークのスラムから全米へと音楽が広まりました。
そして、このヒップホップでチャンスを掴んだ黒人たちが、自分たちのバックグラウンドを音楽以外のフィールド、つまりファッションに反映させたのがヒップホップスタイルの始まりなのです。
黒人のバックグランドがストリートファッションに反映
このようにヒップホップから成功を勝ち得た黒人たちのファッションが受け入れられるようになっていきました。
たとえば、アディダスのジャージとスニーカーにKANGOL(カンゴール)の組み合わせは、典型的なヒップホップのオールドスクールとして定着しました。
また、現在でも多用されるオーバーサイズのファッションは黒人たちの履いていたバギーパンツに由来しています。
このバギーパンツは、腿の部分が太いパンツなのですが、これは子供が成長してもずっと着ることのできる安上がりな服という、黒人の貧困層というバックグランドを引き継いでいるものです。
そして、その後ヒップホップスタイルは西海岸のギャクングスタスタイルと勢力を二分するようになりました。が、やがてそれも廃れ変わって流行したのがハイブランドの細身のファッションだったわけです。
Dior Homme(ディオールオム)などの高級メゾンブランドが幅を効かせるようになります。
ヒップホップスタイルの総括がラグジュアリーストリート
このように、ヒップホップのオールドスクールとしてのジャージやオーバーサイズのファッションと後期の細身のハイブランドのファッションが融合したのが現在のラグジュアリーストリートと言えるわけです。