目次-INDEX-
お父さん風アイテムで「外す」テクニック
ストリートカジュアル界隈でも「ダッドスニーカー」「ダッドシューズ」といった単語を耳にする機会が増えてきました。その名の通り、休日のお父さんが履いているような絶妙なテイストのスニーカーが、今じわじわ来ています。
震源地はあのブランド?!
ここ最近、ハイカットやミドルカットでソールも分厚いボリュームスニーカーが目につくようになってきました。90年代に一世を風靡したリーボックのインスタポンプフューリーのリバイバルなどもそのひとつです。そんなボリュームスニーカーのなかで、ちょっと「ん?」と思うような、独特なレトロ感・もっさり感のあるものが「ダッドスニーカー」と呼ばれています。「クール」とか「スタイリッシュ」といったイメージとは対極にあるようなアイテムですが、そのダサさをあえてコーディネートの「ハズし」として楽しむのがオシャレ、ということですね。
2017年、誰もが知るハイブランド「バレンシアガ」のスニーカー「Triple S」がこのブームの火付け役になったと言われています。世界各国で完売が相次ぎ、2018年春にも新デザインが4種類追加されて話題になっています。
海外セレブやトップモデルが履きこなす姿に注目が集まるとともに、アディダスやナイキなどのスポーツブランドもこの流れに続き、ダッドスニーカーのバリエーションもかなり豊富になってきました。日本のストリートカジュアルシーンでも、今最も注目のアイテムのひとつとなっています。
スニーカーだけじゃない外しテク
日曜日のお父さんみたいな野暮ったさのあるアイテムをコーディネートのハズしとして活かすテクニックは、スニーカー以外にも波及しています。
ブランドのワンポイントが付いていたり、独特の配色のボーダー柄だったりするポロシャツもそのひとつ。特にストリートカジュアルでは襟付きカットソーやポロシャツはここしばらくあまり見かけなかっただけに、新鮮味があります。
数年前に話題になった「ダッドハット」もこの系統のアイテムですね。庭仕事とか日曜大工をしているお父さんが日よけのためだけに被っているような、シンプルでちょっとロゴの刺繍が入っていたりするキャップです。
アウトドアブームの影響でウエストポーチの注目度が高まっていますが、これもデザインや素材によってはお父さん風アイテムと言えそうですね。
ほかに、釣り人やカメラマンが使うようなポケットの多いメッシュベスト、チノパンにレザーベルトを合わせるスタイルなども、お父さん=ダッド感が強いですが、さすがにこのあたりをファッションとして取り入れるのはかなり難易度が高いかも知れません。
「ダッド」系アイテムの注意点
ダッドスニーカーを始めとしたお父さん系アイテムで外すテクニックは、おしゃれなコーディネートのなかに一点投入するからこそ活きてきます。やはり、スニーカーや帽子などの小物で取り入れるのが一番挑戦しやすいでしょう。ポロシャツ+ダッドハットのように複数投入してしまうと、あえてのダッドアイテムなのか単なるおじさん風コーディネートなのか分かりにくくなってしまう危険があります。
全体のコーディネートは色数なども抑えめに、かつ、休日のお父さんぽさとは対照的なスタイリッシュな感じにまとめ、そこにパッと目を引くような意外性のあるダッドアイテムをひとつだけ投入して外す、というのがセオリーです。
それから、ある意味これが一番大切なポイントかもしれませんが、若い人がお父さん風アイテムを取り入れるからこそ面白い、という点はどうしても無視できません。アラサー・アラフォー以上がやってしまうと、全体的にはおしゃれなのにそこだけは悪い意味でおじさん感丸出し…なんてことになってしまいます。大人の男性は、できれば別の方向性でセンスを表現したほうが良さそうです。