すでに何枚も持っていても、メンズカジュアルのお店に並ぶ新しいTシャツを見ているとついついまた欲しくなってしまいます。定番の無地のほかボーダー柄やプリント柄などバリエーションも豊富ですし、ポケットの有無やシルエットの違いなど人によってこだわりポイントもさまざまです。ちょっと凝ったものが欲しいという方にとっては、写真をプリントしたフォトプリントTシャツも気になる存在ではないでしょうか。
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Tシャツの起源は兵士のアンダーウェア
今やメンズカジュアルファッションの定番アイテムとなったTシャツですが、もともとは下着として使用されていました。第一次世界大戦時にヨーロッパの兵士が着ていたものが第二次世界大戦の頃にはアメリカ軍にも広まったようです。こういった経緯のためか、今でも高齢の方のなかにはTシャツ1枚の姿で人前に出るのは恥ずかしいというイメージをお持ちの方もいるようです。 戦後、兵士だけでなく一般にもTシャツが広まり、徐々にアンダーウェアとしてではなくファッションアイテムとして定着していきました。 当初はTシャツといえば無地のものでしたが、1960年代頃、加工技術の発達とともにプリントTシャツが誕生しました。大手企業のロゴをプリントしたTシャツは広告用アイテムとして使われ、多くの人にとって身近なものとなりました。その後、広告用としての用途以外にも広まり、ファッション性の高いデザインのものやメッセージ性を重視したものなどさまざまなものが生まれました。特に70年代のパンクロックシーンにおいては、Tシャツは欠かせないアイテムとなりました。過激な単語や文章をプリントしたTシャツや、あえてボロボロにした破けたTシャツなどはその象徴ともいえます。 日本では60年代後半ごろから若者を中心にTシャツが普及し、70年代以降には幅広い年代に広まりました。かつてはTシャツとジーンズのスタイルは若者の特権でしたが、今では小さなお子さんから年配の方まで男女問わず幅広い方々がごく普通に着用しています。
90年代生まれのフォトプリントTシャツ
写真をそのままTシャツにプリントできるようになったのは1990年代になってからのことです。この頃、技術の発達に伴って表現の幅が飛躍的に広がりました。今となってはフォトプリントTシャツも数あるメンズカジュアルの選択肢のなかのひとつといった感じですが、当時としては画期的で、有名な写真家の作品をプリントしたTシャツが有名ブランドからも展開されました。複数の写真をコラージュしたアート性の高いデザインや当時人気が高かったNBAに代表されるスポーツにまつわるものなどさまざまなフォトTが生まれ、ミュージシャンのツアーTシャツとしてフォトプリントが取り入れられることも多くなりました。現在でも、90年代のフォトプリントTシャツを収集するマニアも少なくないようです。 現在も、お店には多種多様なフォトプリントTシャツが並んでいます。パンク系のものやアート系・ミュージシャン系のもののほかにも、かわいい動物の写真をあしらったもの、リゾートの写真を使ったトロピカルな雰囲気のものなど、写真のテーマによって与える印象もさまざまです。また、モノクロ写真を選べばカッコよくクールな印象、カラーならより写真のインパクトがアップします。写真とロゴや手書き文字を組み合わせたデザインも見られます。 インパクトのあるフォトプリントTシャツは、黒スキニーパンツや帽子・スニーカーと合わせるだけでコーディネートの主役として十分な存在感を見せてくれます。この夏、お気に入りの1枚が見つかったら、写真が主役のスタイルをシンプルに楽しんでみてはいかがでしょうか。