手持ちのレディースカジュアルアイテムのなかで、最近一番登場頻度が高いのは何ですか?デニムパンツやスニーカーという声も多そうですが、ボーダーTシャツをよく着ているという方もおそらくかなりいらっしゃるのではないでしょうか。 ボーダー柄は誰にでも似合いやすいことに加え、着る人をなんとなく良い人そうに見せてくれる効果もあるようです。出会いの季節でもある春にボーダー柄を見かけることが多いのは、そんな理由もあるかもしれません。 着る人を選ばず安心して着られるアイテムである一方、無難な着こなしに陥りがちでもあるボーダーTシャツ。今回はその歴史を振り返り、上手な着こなし方法を見ていきましょう。
目次-INDEX-
ボーダーTシャツの歴史
爽やかで好感度が高いボーダー柄ですが、意外なことに、かつて西洋ではネガティブなイメージのある柄でした。しましまの囚人服もそのひとつです。聖書に登場する悪役が縞の衣装で宗教画に描かれたり、宮廷の下僕など身分の低い者が縞模様の服を着せられたりということがあったようです。一方で、アメリカ・フランスの国旗に描かれたことから自由や革命のイメージも広まり、現在ではネガティブなイメージで捉えられることはほとんどなくなりました。ピカソがボーダー柄の服を愛用していたこともよく知られています。 日本でボーダーTシャツが着られるようになった時期は定かではありませんが、1950年代ごろには色物や縞模様のTシャツが存在していたようです。海や山などのリゾート地でボーダー柄のTシャツを着こなす若い男女の写真が残っていますが、今見てもなかなかおしゃれな印象です。
マリン、ナチュラル、スポーティー…コーデは無限
かつてフランスの水兵が縞模様の制服を着用していたことから、今でもボーダー柄にはマリンのイメージがあります。ボーダーTシャツを白いボトムスと合わせたり、赤いスカーフを差し色に使ったりするとマリンっぽいテイストのコーディネートになります。貝などのマリンモチーフを使ったアクセサリーを組み合わせるのも良いですね。 ボーダーの定番スタイルというと、ナチュラル・ほっこり系も人気です。少し大きめのサイズ感でベージュ×白のような優しい配色のボーダーTシャツは、ナチュラル系コーディネートに最適です。特に今年はリネンのアイテムが豊富なので、ボーダーTシャツと組み合わせて優しい雰囲気で着こなしてみると良いのではないでしょうか。かごバッグなどのアイテムも好相性です。 ラガーシャツに代表されるように、ボーダーはスポーツ系ファッションの定番でもあります。太幅ボーダーや、イエロー×ネイビーのようなコントラストの強い配色のものをスポーティーなイメージで着こなしてみましょう。キャップやライン入りソックスなどの小物は、スポーツ系のレディースカジュアルに最適です。 ボーダーTシャツはどちらかというとユニセックスな印象があるため、レーススカートやヒール靴などフェミニンなアイテムと合わせるとほどよく女性らしさが加わります。また、好感度が高く安心感のあるボーダーTシャツを、あえてレザーやダメージデニムなどハードなイメージのアイテムとコーディネートしてみるのも面白いでしょう。 定番アイテムだけに、なんとなく着るだけでは周りに埋もれてしまいがちなボーダーTシャツ。おしゃれに着こなすには、元々ボーダーTシャツが持っているイメージを活かしてコーディネートを組み立てる、あるいは反対に、ボーダーのイメージの対極にあるようなアイテムを合わせてバランスを取るのがおすすめです。 合わせるアイテム次第でいろいろなイメージに着こなせるボーダーTシャツ。ぜひあなたらしくレディースカジュアルに取り入れてみてください。