OEMという単語を耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。ファッション・アパレル業界でよく聞かれる言葉ですが、他にも自動車・家電・化粧品・食品など日常生活に密接したさまざまな分野でOEMが行われています。
OEMとは
OEMとは、英語のOriginal Equipment Manufacturing(またはManufacturer)の頭文字を取った言葉です。
製品が形になるまでには、大まかにいって「製品を企画する段階」と「実際に製品を製造する段階」があります。それぞれの段階を同じ企業またはブランド内で行う場合もありますが、製品を企画した企業が製造を別の企業に委託することもあります。他社ブランドの製品を製造すること、あるいはそれを行う企業をOEMと言います。
日本で特に人気の高いスマートフォン機種も、商品開発はアメリカ・カリフォルニアに本社を置く企業が行っていますが、生産はアジアの工場が行っています。
自動車の分野でも、T社で販売されているSUVを製造しているのは別の自動車メーカーのD社、N社で販売されているファミリーカーの供給元は別メーカーのM社、などといった例があります。
身近なところだと、コンビニのプライベートブランド(PB)もOEMの一種に当たります。プライベートブランドのパッケージで売られているお菓子も、実際に中身を作っているのはそのコンビニではなく別のお菓子メーカーというのはよくあるケースです。(ただし、厳密にはOEMとPBは別物とする考え方もあります。)
委託側としては生産設備を自社で持たなくて済むことや商品開発に集中できること、受託側としては余剰な生産設備を有効活用し利益を得られることなどが主なメリットとなります。
アパレルOEMの流れ
アパレルの場合、OEM生産はごく一般的に行われています。むしろ、自前で生産設備を持っているアパレルメーカーは少数派というのが実情です。メーカーは企画やデザインを行い、実際の生産は縫製会社に依頼しているケースが大半です。
アパレルOEMの最初のステップは打ち合わせです。事前に委託側の企業内でデザインや販売計画をまとめ、製造側に伝えます。
打ち合わせで伝えられた企画内容を踏まえ、製造側はパターン(型紙)を作成しそれに基づいてサンプルを作成します。このサンプルは「トワル」とも呼ばれます。元々はフランス語で亜麻布・織物・帆布などの意味を持つ言葉で、そこから転じて仮縫いのサンプルやそれに使用される布を挿すようになったようです。
サンプルによって紙の上のデザインを立体に起こし、全体的なバランスやサイズ感などをチェックします。委託側はサンプルを見てイメージ通りになっているか確認し、追加の要望などがあれば伝えます。修正があった場合、パターンの修正と二度目のサンプル作成を行います。
ただし最近は、サンプルの作成を行わず、デザインシステムを利用してバーチャル上でシミュレーションを行うケースもあるようです。例えば靴下などの小物のOEMで取り入れられている方法です。
サンプルデザインがオーケーとなったら、製造者は商品の種類やカラー・サイズ・生産数量などを規格書としてまとめ、工場での製造に移ります。
製造は自社工場で行う場合もあれば、海外などの提携先工場で行う場合もあります。
製造された商品は仕上げのプレスや検品を経て納品となります。海外生産の場合、コスト的には国内生産よりも抑えられるものの、輸送の関係で納品に日数がかかる場合が多いようです。
アパレルのOEMは小ロットのものから大量生産まで幅広く行われています。OEM生産が広まってきたのは90年代なかば頃からとも言われ、すでに20年以上は経っているものと考えられます。OEMは、すでにアパレル業界にとって欠かせない存在といえます。
商品の卸販売については ラッドチャンプ アパレル卸 にてご確認ください。
また直のお問合せ窓口はこちらになります。