店頭に秋物が増えてくるこの時期は、一年のなかでもシーズンの変化を特に強く感じます。半袖やノースリーブが少なくなって長袖のアイテムが中心になり、リネンやレーヨンなどの軽やかな素材に代わってコーデュロイやファーなど温かみのある素材が増えてきます。今回は、秋冬シーズンを彩る素材の特?や今シーズン特に注目したい柄についてお伝えします。
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ファッションに季節感をもたらす素材
日本には四季を大切にする文化があります。着物にもそれぞれの季節の色柄がありますし、現代のレディースカジュアルでも季節感に合っているかどうかという点はファッションの重要ポイントのひとつです。
色合い、シルエットといった要素とともに、素材にも季節感があります。夏物と同じ素材のアイテムを秋っぽい色味にアレンジした「晩夏物」が出てくるときよりも、ニットやツイードなどの素材を使った「秋物」が出てくるときのほうが季節の変化を強く実感する、という方は多いのではないでしょうか?
秋冬素材の代表的なものは、ニットやツイードのほかにコーデュロイ、ファーなどが挙げられます。
ニットは、糸を編んで作った生地というのが本来の意味です。コットンやリネンなどの糸で編まれたサマーニットもありますが、一般的にはウールやカシミヤ、モヘヤといった動物の毛糸を使った温かみのあるものを思い浮かべることが多いでしょう。細い毛糸を使い目の詰まったものをハイゲージニット、太い毛糸でざっくりと編まれたものをローゲージニットと言います。
ツイードは、羊毛などを織った生地ででこぼこした粗い織り目が特?です。コートやジャケットに主に使われますが、最近はバッグや帽子などレディースカジュアルの小物にもよく見られます。
コーデュロイは、縦方向の畝が特徴的なパイル織物の一種です。パンツやスカート、ジャケットによく使われるほか、薄手のコーデュロイはシャツなどにも使われます。畝が太いとよりカジュアルな印象になります。
ファーは、動物の毛皮です。レディースカジュアルの場合、ほとんどが本物のリアルファーではなく人工的に作られたフェイクファーが使われています。最近は、フェイクファーに代わってエコファーという呼び方が一般的になりつつあります。
このシーズン注目なのはこんな柄
柄にも季節感があります。例えばチェック柄ひとつとっても、春夏によく見られた爽やかなギンガムチェックやマドラスチェックに代わって、秋冬物ではグレンチェックやガンクラブチェックが目立ってきています。これらはイギリス発祥の伝統柄で男性のスーツやジャケットによく使われますが、今シーズンは・スカートやワンピースなどレディースカジュアルアイテムも多数展開されています。
タータンチェックのアイテムも気になります。制服のスカートによく使われる柄ですが、カジュアルファッションに取り入れるなら膝下などの長めの丈を選ぶと制服とは違った新鮮な印象になります。
アニマル柄も注目です。ゼブラ柄やパイソン柄などさまざまなバリエーションがあるなか、特にレオパード柄のアイテムが豊富なようです。靴やバッグなどの小物なら、アニマル柄初心者でも比較的気軽に取り入れられます。黄色と黒のレオパード柄が定番ですが、ユキヒョウのような白黒のものもおしゃれです。
ボーダー柄のTシャツ・カットソーは春夏のレディースカジュアルの定番ですが、秋冬はストライプが新鮮です。ボルドーやネイビーなどの落ち着いたカラーを複数組み合わせたマルチストライプや男性のネクタイの定番柄であるレジメンタルストライプなど、ちょっとレトロなイメージのものが多いようです。ストライプ柄のスカートは、縦のラインを強調するのでスタイルアップ効果も期待できます。