EC販売やSNSの普及など、アパレル業界もITの発達によって以前とは形が変わってきた部分が多々あります。しかし、在庫管理や生産管理など業務のITシステム化という点ではどちらかといえば他の業界よりも改善の余地が多く残っているようです。日々の業務のなか、例えばアパレル卸など取引先とのやり取りにFAXを使っているというところも多いのではないでしょうか?
そんななか、アパレル業界のIT化のひとつのカギとなりそうなのがRFIDです。
RFIDとはどんなもの?メリットは?
RFIDとは「Radio Frequency IDentification」の頭文字を取ったもので、無線通信によってデータの読み書きが行えるICタグのことです。役割としてはバーコードに似ていますが、RFタグのほうが便利な点がいくつかあります。
ひとつはより遠くから読み取り可能である点で、数メートルから数十メートル離れていても交信が可能です。また、複数のタグを一括で読み取ることもできます。バーコードのように商品をひとつひとつ手元のスキャナまで持ってこなくても、複数のものを一度にまとめてスキャンできるため非常に効率的です。ダンボールに封入されている商品のタグを開封せずそのままの状態で一度に読み取ることもできます。
例えば、スーパーやコンビニのレジでは商品のバーコードをひとつずつスキャンする必要がありますが、もしバーコードの代わりにRFタグがついていればカゴごと一度に合計額を出すことが可能になり、大幅なスピードアップにつながります。
しかし、現時点ではRFタグは1枚10円以上とコストが高く、食料品のような単価の安い商品ではまだ導入が難しいのが実情です。その点、アパレルの場合は食品などと比べると単価が高くコストを吸収しやすいため、RFIDの活用はより早く進むだろうといわれています。
アパレル業界でのRFID活用
アパレル業界でも、RFIDの活用を進め、レジでの一括スキャンやセルフレジなどをすでに実現している国内企業があります。あるブランドでは、店舗での棚卸しにかかる人的・時間的コストがRFIDの活用によって約84%効率化したというデータが出ています。日本だけでなく、世界的に知られているファストファッションブランドでもRFIDによる効率化やそれによる接客等への注力化が進められています。
今のところは大手による取り組みが目立っていますが、中堅・中小企業での活用もじわじわと増えてきています。
アパレル業界の場合、メーカー・アパレル卸・小売店と商品が川上から川下に至るまでに工場出荷・入荷や棚卸しなどでのチェック作業が何度もあります。今まではコツコツと手作業で進めるしかなく人手や時間をたくさん割く必要がありましたが、RFIDを導入することで作業を一気に省力化・スピード化することができます。手作業の場合と違って、記入ミスや計算ミスなどが発生しにくいのもメリットです。
また、RFタグは読み取りだけでなく書き込みもできるため、レジを通過した商品にはRFタグ内に会計済みの記号をつけることも可能です。このため、レジを通っていない商品が店舗出入口のゲートを通るとブザーが鳴るような万引・盗難対策としての活用も可能です。
かつてはタグサイズが今よりも大きくコスト的にも割高だったため、RFIDの実用化は現実的ではないと言われていましたが、2000年代以降少しずつ普及が進み、今では私たちの日常でも普通に見かける存在となりました。重なり合ったタグの正確な読み取りが難しい等、課題もまだいくつか残ってはいるものの、小売店だけでなくアパレル卸やメーカー・商社などそれぞれにとってメリットがあるRFIDは、アパレル業界はもちろん他の業界でも今後ますます活用が進められていくと考えられます。
こんな時代だからこそ 先を見据えたアパレル卸
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