かつてはアパレル商品の仕入れというと、メーカーや代理店とのやり取りであったり、問屋街や展示会に足を運んだりする方法が主流でした。現在ではインターネット上で仕入れを行うことも一般的になっています。
リアルでの仕入れとネットでの仕入れは、どちらにもメリットとデメリットがあります。さまざまなポイントがあるなかからどこを重視して選ぶかは人それぞれですが、ここで一度どんな観点があるか整理してみましょう。
リアル仕入れのメリット
従来のように直接顔を合わせて仕入れることのメリットは、なんといっても実際に商品を手にとってチェックできることにあります。アパレル商品は身につけるものなので、生地の質感や色味など実物を見ることで体感できる部分が多々あります。ネット仕入れの場合にありがちな「手元に届いてみたらイメージと違った」という問題はリアル仕入れでは起きにくいです。また、縫製のクオリティなどを厳しくチェックしたいという場合もやはりリアル仕入れのほうが有利です。
セレクトショップなどこだわり重視のお店の場合、メーカーや卸との直接取引を行うほうがオリジナリティのあるアイテムを揃えやすい傾向があります。さまざまな事情からネットには掲載していない商品があり、そういったものは直接足を運ばないと仕入れることができません。特に、展示会では新進気鋭の個性的な品物と出会える可能性が高いと言われています。大小さまざまな規模の展示会に足を運び、良いものを発掘できたときの喜びは他に代えがたいものがあります。
ネット仕入れの場合、登録制のサイトであっても登録している人なら誰でも仕入れが可能なため、他のお店と同じような品揃えになってしまう場合があります。
問屋や卸からの仕入れであれば、即日納品も可能です。今売れているものをすぐ仕入れて売ることができるので、テレビやネットで話題になったものをタイムリーに用意することができるという点で非常に有利です。特に、なるべく早い時間帯に訪れると人気のアイテムや話題性のあるアイテムを仕入れやすいようです。
ネット仕入れのメリット
ネット仕入れのメリットとしては、直接足を運ぶ必要がないという点が挙げられます。郊外や地方からでも交通費や宿泊費をかけずに仕入れができるので、経費節減の観点で有利です。遠方から移動し、限られた時間内で仕入れを行うのは体力的にも気力的にもしんどいものですが、ネットであればそんな負担もありません。複数のアパレル卸を見比べて検討する場合にも便利です。
24時間自分のタイミングで仕入れができるという利点もあります。特に副業としてアパレル販売を行う場合、通常のビジネスタイムに問屋などに足を運ぶことは難しいですが、ネット仕入れであれば夜間や週末など自分の都合の良いときに仕入れが可能です。
海外品を仕入れる場合も、ネットのアパレル卸を利用すると便利です。若い世代を中心に韓国アパレルの人気が続いていますが、韓国商品を扱う日本の卸サイトを利用すれば言葉や通貨の問題を簡単にクリアできます。
アパレル卸サイトに掲載されている商品画像を利用可能であれば、撮影や画像処理の手間も省けます。大量の商品を扱う場合には特に、大きな負担軽減になるでしょう。商品画像の質の高さもアパレル卸サイトを選ぶひとつのポイントになります。
ネットショップの場合、ドロップシッピング対応のアパレル卸サイトを利用するのもひとつの方法です。注文が入ったらアパレル卸から直接購入者へ発送する形のため、ショップとしては在庫を抱えるリスクがありません。
アパレル卸は、リアルにもネットにも多数あります。新たな仕入先を開拓する際は、これまで利用していなかった仕入れ方法もぜひ検討してみてください。